外交部(日本の外務省に相当)の呉釗燮部長(外相)は3日、台湾に到着した「アライアンス・オブ・デモクラシーズ・ファウンデーション(Alliance of Democracies Foundation, AoD、世界の民主主義の発展を推進する非営利団体)」のアナス・フォー・ラスムセン(Anders Fogh Rasmussen)代表一行を歓迎する晩餐会を開催した。晩餐会には国家安全会議の顧立雄秘書長も出席した。呉部長は、ラスムセン代表一行の台湾訪問を心から歓迎し、様々な国際的な場において、台湾への強い支持を表明していることに深く感謝した。
呉部長は、「台湾は自由と民主主義を愛する信頼に足るパートナーだ。世界が権威主義の拡大という厳しい課題に直面する中、台湾は自信を持って、冷静さを失わず抑制の効いた態度を取る。現実的かつ積極的に防衛力を強化すると共に、引き続き台湾を取り巻く社会経済のレリジエンスを向上させ、国際社会に向けて、揺るぎない『自衛の決意』を示したい。台湾は自由と民主主義という普遍的価値を擁護する最前線にいることから、今後も理念を同じくするパートナーと交流・協力して、民主主義の発展と繁栄の促進に努める」と強調した。
ラスムセン代表が台湾を強く支持していることに対して謝意を表した呉部長は2019年、AoDが開催したコペンハーゲン民主主義サミットに招かれ、デンマークへ赴き、あいさつを述べた。蔡英文総統は、2020年から毎年、招待を受けて同サミットで演説を行っている。これによって、台湾における自由や民主主義を国際社会にアピールでき、海外の民主主義グループと提携して普遍的価値の共有が推進されている。
今回の台湾訪問が1994年以来となるラスムセン代表は、台湾が長い年月を経て大きな変化を遂げたと指摘した。台湾は、経済的な発展を遂げただけでなく、自由と民主主義を擁する成熟国家となり、インド太平洋地域における自由と民主主義の道を照らす灯台となった。ラスムセン代表によると、今回の台湾訪問の最も重要な主旨は、民主主義の台湾への確固たる支持を示すもの。台湾と国際民主主義共同体を団結させ、民主主義のさらなる繁栄を目指すとの決意でもある。
呉部長と顧秘書長は、中国大陸の軍事的脅威、台湾海峡の安全保障環境、ロシアによるウクライナ侵攻、台湾とEUの協力などの重要な問題について、ラスムセン代表一行と深く意見交換を行った。ラスムセン代表は、今後も様々な国際的な場において、台湾の立場を代弁し、国際的な民主主義共同体と台湾との協力・団結の深化を促進するとした。
ラスムセン代表は1994年、デンマーク国会議員として台湾を訪問し、30年近くに渡り、台湾の自由と民主主義を強く支持し続けてきた。呉部長は、ラスムセン代表を始めとする代表団の台湾訪問が計画通りに進み、台湾における自由、民主主義、めざましい発展、様々な熱意にあふれた風土・民俗を体験できるよう願っている。